草案書、企画書、仕様書ってどんなモノ?
こんにちは、企画の石田です。 
これからゲーム会社でプランナーとして働いていきたいと思っている人向けの 
「草案書、企画書、仕様書ってどんなモノ?」
 を説明していこうと思います。
プランナーと言えば、言葉の通り企画する人。 
なので、アイディアを起こしたり練ってもらう訳ですが、 
そのアイディアは誰も判らないので、 
文字に起こしたり、図解したり、リストアップしてもらう必要があります。 
それが、企画書、仕様書と呼ばれるものになります。
 では・・・草案書、企画書、仕様書はどう違って、何を書いたらいいのか? 
3つの資料の目的と書き方を説明したいと思います。
■草案書 
やりたい事、具現化したいアイディアを箇条書きレベルでまとめたもの 
主に個人向けでメモに近い 
完全完成形ではありません。やりたい事の条件を揃えられればOKです。 
記載例: 
〇ジャンル 
3Dアクションゲーム、1VS1対戦、、ファンタジー、 
〇コンセプト 
ストーリーが変化すると遊びも変わる格ゲー 
対戦相手の組み合わせ、攻撃内容や状況によって会話内容が変わり 
対戦しながら違ったストーリーを楽しむ事ができる。 
ステージ破壊があり、破壊するとステージの地形が変わるので読み合いが変わる 
ストーリーの変化で使える必殺技が変わり、読み合いが変わる 
自分のストーリーを押し付けるのが楽しいし、自分のコンボが作れる 
〇イメージ 
コンボが派手、武器がしゃべる賑やか明るいファンタジー 
ファンタジー雰囲気は、テイルズシリーズやグランブルーファンタジー 
アクションゲームの雰囲気は、ソウルキャリバーとヒロアカワンズジャスティスの融合 
〇目安 
10人位、ストーリーを試合中に見せたい
・・・こんな感じ 
適当に箇条書きにするよりも、目的を書いてアイディアを載せた方が 
後で見返した時に自分はどんな事をしようと思ってそのアイディアにしたのかを 
忘れずに済むと思います。 
因みに、イメージの所に露骨に他のゲーム名を上げてますが 
とにかくイメージを確固たるものにするために、分かりやすい例えがあるならば 
書き留めておくのが良いです。 
冒頭に書いた、揃えておくべき条件は 
コンセプトとゲームイメージ(風景)です。 
これさえあれば、後はもっと面白いアイディアが生まれた時に変更があっても 
変更できますが、コンセプトが変わった場合は、それはもう別のゲームですので 
別の草案書を書いた方が良いでしょう。
 
■企画書
 内容的には草案書と同じですが、目的が違います。
 同じく完全完成形である必要はありませんが、 
草案書との違いは、 
「他人(他社)に見せる」事と「イメージの共有を図る」事にあります。 
そのため、草案書では自分さえ理解できていれば良かった書き方やイメージを 
他人にも理解してもらうために、説明の仕方、イメージの共有の仕方について 
工夫しなければなりません。 
自分は判っていても相手は何も知らないのですから、 
一から説明してあげなければ「何故そのゲームを作るのか」が分かりません。 
ですが、全部説明しようとすると情報は膨大になり 
聞いてる側は処理が追い付かず、結果よく判らないモノとなってしまい 
制作する事が困難になってしまいます。 
なので、コンセプトを強調したり、絵を入れて文章を端的にし 
少ない情報で「大体判った」「面白そう」という状態に持っていく事を 
目指す必要があります。 
記載例: 
1P、タイトル(ジャンル、プラットフォーム等) 
2P、コンセプト(ストーリーが変化すると遊びも変わる格ゲー) 
3P、ゲームの雰囲気、ルール(ゲーム画面のイメージ、遊んでいる風景) 
4P、コンセプトの具現化方法による今企画の独自性    
   (状況変化で技が変わったり、読み合いが変わると会話が変化で2度美味しい) 5P、独自性の奥深さ、駄目押し
   (さらにコンボも自分で作れて、他人と違ったキャラ遊びができる) 
6P以降 付加価値 あれば 
※ページ数は書く内容によって増減するので適当です。順番の目安と思っていただければと思います。 
企画書は、チームだけでなく他社に見せる場合もあったり、 
各会社によって見方が違うため、正解はありません。 
ただし 
・どんなゲームを作りたいのか? 
・一番やりたい遊びとは?
 ・上記2点を、初めて見る人が分かり易く 
以上の3つは常に気にしながら作りましょう。 
基本的な所として、相手にイメージの共有ができなければ 
「このゲームはよくわからない」モノとなり 
企画書としては失敗に終わってしまいます。 
 ■仕様書 
企画が通り、いざ制作となった時に書く必要が生まれるのが仕様書です。 
実際に制作するための設計図となりますので、完成形である必要があります。 
制作するにあたって具体的に何が必要か?のリストアップや、 
仕組みを詳しく書き記します。 
こだわりの部分は、こだわり方が判るように明記されていると 
見る側も対応がしやすいです。 
どこまで細部まで書けるかは、経験による所だと思っているので 
最初は、最低限作り始めるのに必要な物と数が出せればよいと思います。 
ただし、企画書同様他人に見せる資料ですので、
見る側が分かり易い作りになっていると 間違いが減りますので、工夫してみましょう。
 
さて 
三種の資料の説明を書きましたが、イメージは掴めたでしょうか? 
それぞれ「やりたい事」の具現化に向けた手段で、 
その手段によって書き方が変わるというものです。 
状況によって書き方が変わるため、一概に正解はありませんが 
どれも「やりたい事」が軸にある事は変わりません。 
書いている最中に「やりたい事」が変わらないように注意しましょう。
